スクラムマスダーの日記

アジャイル、スクラムに関連した内容が多めです。

アジャイルラジオ#11聞きました!

アジャイルラジオの「Episode11 ふりかえりの手法あれこれ」を聞きました。 チームを加速させるためのプロセスである”ふりかえり”は、重要なプラクティスです。 私自身、スクラムマスターの経験もあるので、ふりかえりの大切さは痛感しています。

ふりかえりについて、ふりかえる機会を得たので、アジャイルラジオを聞いて感じたことを書き残しておきます。

”ふりかえり”とは

山本さんがおっしゃるには、ふりかえりとは、「開発のプロセスに組み込んで、あるタイミングで、チームやプロジェクトのメンバーが上手くいったこと、ダメだったことを出し合って、次をよくするために集まって話し合う改善の場」とのことです。

私自身が重要だと思っているのは、「上手くいったこと」をきちんとふりかえることだと感じています。

”ふりかえり”をやっているつもりでも、”反省会”になっていることを、よく見かけてきました。 ダメだったことばかりに注目して、悪いことを起こした人が謝罪したり、悪いことが起こらないようにする対策や回避策について、議論ばかりしてしまうのです。 ”反省会”になってしまうと、メンバーの動きをルールで縛ってしまうために、本当に改善にはつながらないと感じています。

「ダメだったこと」に着目するのはもちろんですが、「上手くいったこと」についても注目していくことが、真のふりかえりに繋がると思います。

KPTを有効活用する

ふりかえりを実施されたことがある方のほとんどは、KPTという手法を使っていらっしゃると思います。 KPTとは、

  • KEEP…今後も継続したい、よかったこと
  • PROBLEM…実際に直面した、悪かったこと
  • TRY…今後、チームを加速させるために実施すること

の頭文字をとったものです。 KPTは、わかりやすいので、実施しやすいと、ラジオでもおっしゃってました。私自身、スクラムマスターやふりかえりのファシリテーターを務める場合には、KPTをよく使うので、実施しやすいと感じています。

ただ、毎回KPTを利用して、ふりかえりを実施していると、マンネリ化することも確かです。 ふりかえりが流れ作業になってしまい、ふりかえりの場をいかに楽に過ごそうという考えをもつメンバーがいてもおかしくないと思います。 そのためにも、スクラムマスターやふりかえりのファシリテーターは、色々なふりかえりの手法を知っておく必要があると思います。

KEEPが、継続しない

TRYとして実施したスプリントでは、上手くいったにも改善案が、KEEPとして実施した場合、改善につながらないことがあります。

私としては、大きく2つの理由があると考えました。

  1. 改善案を有効だと思っていないが、TRYの時には、みんなで決めたからという理由で仕方なく改善案を実施するが、KEEPになると互いのチェックも薄れ、役立つ改善案と思っていないのでやらなくなる
  2. TRYとしてどんどん実施するべきことが多くなるので、昔の改善案を忘れてしまう

1の場合は、ラジオでも触れられていました。人数が多いチームであれば、声の大きいメンバーに改善案を出すことを任せてしまうメンバーが、何人かは出てきます。発言の少ないメンバーの意見を汲み取る、声の大きいメンバーの話す時間を制限するなど、ふりかえりのファシリテーターががんばるところが、多々あります。ファシリテーターは、出てきた改善案が、チームにとって、真に有効であるかを、チームメンバー全員に確認する必要があると感じています。といっても、10人をこえるチームになると、チームビルディングも非常に難しいので、全員の同意を得ること自体も、高いハードルだと思います。結局は、いかにチームとして成熟できているかが重要だと思います。私自身、チームビルディングは、常に悩むことなので、明確な答えは持っていませんが、出来る限りメンバーとコミュニケーションを取るようには、心がけています。

2の場合は、人間であれば、誰しもあることだと思います。TRYを出す時の定番として、実施する1つを決めましょうというモノがあります。人間、複数のことを一度に実施することは、非常に難しいです。1つのことに集中して、取り組むほうが得意です。 ただ、ふりかえりを継続していくと、各ふりかえりごとに、TRYが発生するので、結果的に多くのTRYが出てきます。良いTRYは、できる限り早い段階で、習慣になる必要があると思います。チームやプロジェクトのルールの段階だと、忘れてしまう確率が高いと感じています。 自然とTRYができているように、チームが動く必要があると思います。 習慣にする1つの方法として、プロセスにはめ込んでしまうがあります。良いTRYは、特に意識せずとも実施し、KEEPにしていくことが良いと思います。

ふりかえりは休憩の場

ふりかえりは、過去の自分が実施したことを思い出す場です。改善は、過去の事実を受け止め、次に活かすということだと思います。過去を思い出すには、ふりかえる人が立ち止まって考える必要があります。 立ち止まるためにも、ふりかえりは、ある意味、休憩する場だと、参加者にとらえてもらう必要があると思います。 休憩の場と認識してもらえれば、コードを書く手を止めたり、仕様を考えることをやめたりします。

お菓子は必須アイテム

休憩の場と、ふりかえり参加者に認識してもらうためにも、お菓子は、ふりかえりには必須アイテムだと思います。 私も、ファシリテーターをする場合は、お菓子を買って来て、参加者にお菓子を配ります。

甘いお菓子は、心を落ち着けるので、多少ふりかえりの場で、辛い自分を思い出したり、他の人から厳しいことを言われても、素直に受け止めることができるようになります。 また、ふりかえりの最初に、お菓子を参加者にお菓子を配ることで、参加者は「前回は、カントリーマアムがあったな。今回は、ハッピーターンだな。」とお菓子のふりかえりを、知らず知らずのうちに実施しています。 私も、「あれ?今回は、ハッピーターンないの?」や「今日は、チョコレートづくしですね!」と、配ったお菓子の感想をもらいます。 お菓子のふりかえりをすることで、ミニふりかえりを実施しており、アイスブレイクの効果もあると思います。 ふりかえり参加者が、お菓子でミニふりかえりを実施することで、ふりかえり脳を呼び起こして、真に実施するべきふりかえりを、よりよく実施できると思います。

お菓子は、個包装された配りやすいタイプが、良いです。 ラジオでも、冬場はインフルエンザなど衛生面が気になるとおっしゃっていたので、チームビルディングの一端を担うスクラムマスターは、配るお菓子じひとつも、気をつけていきたいですね。

おわりに(仮)

ラジオの感想を軽く書くつもりが、長々とKPTについて、書いてしまいました…。 ラジオの後半の感想は、次回のブログに書きたいと思います。