スクラムマスダーの日記

アジャイル、スクラムに関連した内容が多めです。

『プロダクトマネジメント ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける』

プロダクトマネジメント ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける』を読み終えました。

本書は、マーケットリーという架空の企業を通して、プロダクトマネジメントにおける落とし穴を、どのような方法で回避していくことができるかについて、記されています。

戦略、プロセス、組織といったいろいろな角度から述べられており、プロダクトの責任者をされていらっしゃる方だけでなく、経営層の方にも、ぜひ読んでいただきたい内容となっています。

プロダクトマネジメントに記された非常に良い書籍ですので、私が気になったところを紹介させていただきます。

ビルドトラップとは

ビルドトラップは、以下のように定義されています。

ビルドトラップとは、組織がアウトカムではなくアウトプットで成功を計測しようとしていて、行き詰まっている状況のことです。

アウトプットとは、プロダクトの数、リリースした機能数、リリース回数、開発チームのベロシティなどとされています。

アウトカムとは、機能を届けて顧客の問題を解決した結果のことです。 具体例としては、アクイジション、リテンション、収益、顧客の解約などがあります。

私の過去の失敗経験からも、機能、リリース回数、ベロシティが改善されているから、うまくいっていると思っていたことがあります。まさに、ビルドトラップにハマっていたといえます。

アウトカムについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記のOutcome Deliveryについて詳しいGabrielle Benefieldさんの動画を御覧ください。

www.youtube.com

プロダクトをどう捉えるか

本書では、プロダクト自体に価値はないといっており、自社のビジネス価値と顧客にとっての価値を交換する媒介であるとしています。

そのため、価値をプロダクト自体にあると勘違いしていると、機能数などアウトプットを成功の指針としてしまう言っています。

プロダクト自体に価値を感じてしまうことは、人間誰しもあるかと、僕は感じています。
開発者であればソフトウェアそのものですし、営業であれば提案資料、カスタマーサポートであればメール文面など、プロダクトに関するものを作っていると思います。 だからこそ、「せっかく時間をかけて作ったのだから」、「プロダクトは自分の分身だ」と感じるのだと思います。

各個人が上記のように感じることとは別に、「顧客にとってプロダクトとは、どのような存在であるのか?」を改めて企業で定義していくことが大事だと感じています。

優れたプロダクトマネージャーと悪いプロダクトマネージャー

本書ではプロダクトマネージャーの重要性や、どのような役割を果たすべきかについて、詳しく示しています。

逆に、どのようなプロダクトマネージャーは悪いのかも示しています。
典型例として、

  • ミニCEO
  • ウェイター
  • プロジェクトマネージャーだった人

アンチパターンとしています。

優れたプロダクトマネージャーは「なぜ」を顧客やステークホルダーや開発者に聞き、ビジネス目標と顧客が実現したい価値を達成することが大事とされています。

プロダクトのなぜを考えるためにオススメなのが、サイモン・シネックの『WHYから始めよ! 』です。書籍も素晴らしいですが、20分程度のTEDがあるので、まずは動画を視聴するのをおすすめします。

プロダクト戦略

戦略というと、将来プロダクトがどうなっていてほしいのか、自社が市場においてどういうポジションであるかがイメージしやすいです。
もちろん、本書でもビジョンの大切さが語られています。

個人的に大事だなと感じた文言は、戦略的意図で、ジョシュア・アーノルドによる価値検討フレームワークについて書かれていたことでした。

価値検討フレームワークの内容は以下です。

  • 収益を増やす
  • 収益を守る
  • コストを減らす
  • コストを避ける

お金に関することは企業を運営していく上で避けて通れません。特にプロダクトの責任者であれば、必ず考える必要があります。
今取り組もうとしていることが、どれを選択しているのか?、偏ってないか?、は検討したいです。

特にサブスクリプションモデルが通例になってきた世の中においては、収益を守る観点は重要だと、個人的に考えています。
サブスクリプションモデルは一度に得られる金額が少ないからこそ、リテンションが重要だと考えています。

プロダクト主導組織

いくらよいプロダクトを作ろうとしても、組織の評価軸が適切でなければ、結果的にユーザーに利用されないプロダクトを作り続けることになります。

本書においても、コダックの組織決定スピードの遅さによる没落事例、ボーナスを貰うために一ヶ月無駄にしている事例、予算を使い切ることが第一になっている事例が記されています。

特に後者2つの事例は、アウトカムではなくアウトプットを計測対象にしているからこそ、起きてしまっている事例です。

これらを解決するには、「ビジネスとしてプロダクトが成り立っているのか?」に関する指標が大事だと考えています。

指標としては、以下が代表例だと思います。

  • 利益は確保できているのか?
  • 売上は増えているのか?
  • ユーザーは増えているのか?
  • 流入ユーザーは解約ユーザーより多いのか?

チームが継続するには、チームビルディング、プロジェクトではなくプロダクトにチームを割り当てるも大事ですが、そもそもプロダクトが継続的に利益をもたらす必要があると思っています。

だからこそ、組織、特に経営層が、プロダクトをどう評価するかを考える必要があると思います。

おわりに

本書は、 株式会社アトラクタ 様から頂戴いたしました。
大変感謝しております。

スクラムにおいても「プロダクトオーナーをどのように育てるのか?」は、関心事の強い内容だと思います。
本書は、プロダクトオーナーが幅を広げるために必要なことが数多く記載されており、ぜひ読んでいただきたいと思います!

プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける

プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける

  • 作者:Melissa Perri
  • 発売日: 2020/10/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

Regional Scrum Gathering Tokyo 2021のスライドまとめ #RSGT2021

2021/01/06から、Regional Scrum Gathering Tokyo 2021(以下、RSGT2021)が始まりました!

2021.scrumgatheringtokyo.org

本ブログでは、RSGT2021のセッションの発表資料をまとめています。 個人で発見した発表資料のみですので、掲載していないセッションの発表資料がありましたら、コメント欄などで教えていただけるとさいわいです。

現時点では、1日目のスライドのみです。

1日目(2020/01/06)

Room: 2F Main Hall WEST手前

ふりかえり手法のおもちゃばこ

qiita.com

Remote Work Native な働き方を志向した結果、Agileな状態に爆進しているとあるHRチームの話 - 組織全体への波及を添えて

2つのモードで学ぶ辛くないスクラム

組織がアジャイルになっていく道を歩んだ時、「少しだけうまくやれたこと」と「うまくやれなかったこと」

アジャイルつまみ食いしたい人向けの「アジャイルから学べること(私が学んだこと)」〜アジャイルに興味をもってもらう方法を添えて

「わからない」と共存するチーム Team controlling CHAOS

Room: 2F Main Hall EAST奥

Rethink Scrum from Japanese cultural perspective

[Online Interpretation] 患者さんや顧客に最大の価値を提供するために ~外資系製薬企業が組織全体の変革を目指しアジャイル導入~~

Bilingual cross-cultural discussion 日本人と外国人のディスカッション: How to accelerate the adoption of agile and scrum in Japan? 日本でのアジャイルとスクラムの導入をどう加速すれば良いか?

Room: 1F Room B

本当に大切なものは余白から生み出される。ゆるい1on1のススメ

たった一人からはじめて70人の縦割り組織にスクラム導入した話

“あざとくて何が悪いの?”建設的であり続けたいだけの、人たらしチームマネジメント

セキュリティとアジャイル開発のいい関係について考える / Security and Agile Development

シリコンバレースタートアップから日系大企業までの組織別DX

コロナ前からコミュニティでリモートモブで常に前に進む『The Great ScrumMaster』翻訳チームの話。普通の私たちが読みやすい本を目指して持続性のある翻訳作業に行きついた。

A ScrumMaster Way - #ScrumMasterWay の歩き方

Room: 1F Room C

アジャイルを忘れるチーム Unlearn Agile

R&Dチームが歩むスクラム守破離ジャーニー

なぜ私はチームにい続けるのか。あるいは、エンジニアとしての成長のためのチームの活用について。

「全社で大規模スクラム(LeSS)移行して1年間」Retty執行役員が全て答えます

スクラムをスケールするとはどういうことか?

とにかく知り合いを増やすことを目的とした会

Room: [Sponsor sessions] 2F Terrace Room

ウォーターフォールモデルをリファクタリングしたらリーン思考とスクラムが(少し)わかった話

日本初! CST-R(認定スクラムトレーナーリージョナル)ってなに?

「変わりたいのに変われない」チームがアジャイルで変わった話

サイボウズ雑談会

ヤマネコのリモート冒険

コロナ禍でのオンライン研修とハイブリッドカンファレンスを支える技術

愛されるプロダクト開発に必要な観る力・聞く力

keynote

Great ScrumMaster

2日目(2020/01/07)

keynote

What’s Testing Got to do with Quality?

Room: 2F Main Hall WEST手前

スクラムにおける「完成」とはなにか?

プロダクトを強化する探索的テスト戦略

プランニング会議は実験室 !チームと顧客に支えられるスクラムマスターの日々の試み

Project Manager が Global Scrum Gathering に参加したら、 一年後 ScrumMaster に転生していた件について。

Scrumチームに「テストは単純作業ではなく創造的な活動だ」という意識を浸透させて良品質&低コストの製品を作るようになるまでの物語

Tips of Product Management for Internal Tools/社内ツール・サービス・プラットフォームにおけるプロダクトマネジメントの勘所

Room: 2F Main Hall EAST奥

[Online Interpretation] 破?scrumからFLATを生み出して実験してみた話し / FLAT: the story of an experiment moving from scrum to our new framework

[Online Interpretation] 独立QAチーム1年戦記:スクラムの外からチームと組織の品質を創る道 / An Independent QA Team's 1 Year's War: Way to Create Quality of the Teams and the Organization from the Outside of Scrum

Integrate your cycle with OODA (Extended Edition of Scrum X Army at ‘RSGT2020’)

野中郁次郎のスクラム再訪問(Nonaka's Scrum Revisited)

Room: 1F Room B

【現地登壇】アジャイルコーチそれぞれの歩み 〜今夜くらべてみました〜

アジャイル戦略論 「チーム作りの巻」~すべての基礎はチーム作りにあり。

[Online Interpretation] Insight Coaching – Nonverbal Communication in Coaching

Room: 1F Room C

ヒット商品を生み出すプロダクトマネジメントブースター

モダンオフショア開発のすすめ

NTTみたいな企業で新アプリをスクラム開発してみんなが笑顔になった

アジャイルコーチとVPoE、あるいはEMの間にあるもの

プロダクトチームの育て方 : MVPの先にある組織づくりの話

Room: [Sponsor sessions] 2F Terrace Room

社外の超初心者POとの歩み方を「遠い昔、はるか彼方の銀河系...」に学ぶ

統制と情熱のあいだ

スライドはDiscordにアップされています。

「企業文化は戦略に勝る」アジリティの高い組織/チームを創ろう!

開発者とスクラムマスターの兼任

マネージャーは「敵」なのか?

ギルドワークスの越境するプロジェクトの進め方

3日目(2020/01/08)

keynote

スポンサーセッション

クリエーションライン株式会社

youtu.be

転職活動をきっかけにストレングスファインダーをやってみた

みなさん、こんにちは! 絶賛就職活動中のマスダーです。

本ブログは、ふりかえり Advent Calendar 2020の16日目です。

adventar.org

本ブログでは、自分自身をふりかえるきっかけとなったストレングスファインダーと僕自身の結果について、紹介します。

ストレングスファインダーとは

自己分析ツールの一つで、自身の強みを発見できる内容になっています。

www.gallup.com

質問に回答することで、4分類34の資質が、自身の強み順で示してくれます。

www.gallup.com

基本料金を支払うことで、上位5つの資質について、結果を出してくれます。
追加で支払うことで、34すべての資質の順位を知ることができます。

ストレングスファインダーの特徴としては、その時点での強みを示してくれる点です。
時間経過で、異なる経験をしていると、以前の結果と異なっている場合があります。

なぜストレングスファインダーにとりくんだか?

転職活動をするにあたり、自分をふりかえるために、自分の強みについて、改めて知りたいなと思ったからです。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』は半年前に購入し、いつでも自身の強みを知る状況は揃えていたのですが、全く手を付けていませんでした。

就職活動のアドバイスで、「マスダー、自己分析不足しているよ」と伝えていただき、「これはやらないと!」と思い、取り組みました。

自身の強みを知ることで、就職活動が一歩前に進んだと思っています。

僕の上位5つの資質

現時点での僕の上位5つの資質は、以下の通りです。

1位:原点思考

物の見方や背景は、強力な「原点思考」の才能を持つ人々にとって重要です。彼らは回顧的な視点にこそ答えがあると信じているため、それを重視します。現在を理解するために、過去を振り返ります。彼らは方向付けの原型を過去から読み取ることができます。過去に蒔かれた種を理解しているために、自然と将来をよく見通すことができるようになります。

強力な「原点思考」の才能を持つ人は、過去の出来事から派生するパターンが見えないとき、方向性を見失ったように感じることがあります。周りの人は、特定の状況の歴史を理解しようと努力する彼らを見てイライラするかもしれません。しかし、最終的にはこの歴史的背景が彼らの意思決定に自信を与えます。

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2位:収集心

強力な「収集心」の才能を持つ人は好奇心が旺盛です。常により多くのことを知りたいと思っています。彼らは情報が欲しくてたまりません。アイデアや本、記念品、引用文、事実など、特定のものを集めるのが好きです。ただ興味があるから、それを集めるのです。彼らは多くのことに興味を持ち、生来好奇心旺盛です。

世界は限りなく変化に富んでいて複雑なので、とても刺激的です。インターネットを検索し始めると、好奇心から何時間も続けてしまうことがあります。常に何かを手に入れ、まとめ、整理しています。追及することで新鮮な気持ちを保っています。自分の集めた情報やものは、いつかその価値が証明されると考えています。

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3位:学習欲

強力な「学習欲」の才能を持つ人は、常に学び、向上することに全力を尽くします。学習のプロセスは彼らにとって、習得する知識と同じくらい重要なのです。彼らは何も知らない状態から能力を備えた状態に、着実で計画的なプロセスを経て移行することでやる気が出ます。新たな事実を学んだり、新しい課題を始めたり、重要なスキルを習得したりすることにわくわくします。学ぶことで自信がつきます。

「学習欲」の上位資質によって、必ずしもある分野の専門家になることや、専門的または学術的な資格を得て評価されようと努力することに対するモチベーションが得られるわけではありません。学習の成果は、「学習のプロセス」ほど重要ではないのです。

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4位:分析思考

強力な「分析思考」の才能を持つ人は、他の人に「証明しなさい」と強く要求します。他の人ならすぐに真実として受け入れることに、批判的な態度をとります。なぜそうであるのか理由を求めます。一定のパターンが互いにどのように影響するのか、どのように結びつくのか、その結果がどうなるのかを理解したいと考えます。この結果が、提示されている理論や目の前の状況にふさわしいかなど、疑問を投げかけます。

人は彼らを論理的で厳格であると見ます。ただ何かを理解しようとしているだけでも、否定的だとか、不必要に批判的だと感じる人もいます。客観的で公平な審査を行うことで、根本的な原因や影響を見つけ、事実に基づいて明確な考えを発展させることができます。

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5位:規律性

強力な「規律性」の才能を持つ人は、組織化された秩序ある環境で力を発揮します。彼らは予測でき計画された日常を好むため、本能的に生活を秩序立てる方法を見つけます。毎日の日課を決めます。物事の進捗状況と締め切りに集中します。

長期的なプロジェクトは、連続性のある具体的な短期計画に分割し、一つひとつの計画をきちんと実行していきます。彼らは必ずしも几帳面でもきれい好きでもありませんが、正確さを求めます。必要に応じて秩序と構造を組み立てます。この強い規律性を、強迫観念、几帳面、支配欲などと呼ぶ人もいますが、この才能によって、多くの場合、彼らを批判する人々よりも優れた生産性を発揮します。

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おわりに

実際にストレングスファインダーの結果を見てみると、「たしかに、めちゃくちゃあたってる〜」となりました。
スクラム道関西のメンバーにも共有したのですが、「マスダーそのものやな」とも伝えていただきました。

自分の強みについて言語化するのは、僕自身は、かなり難易度が高いことだと思っています。
だからこそ、ストレングスファインダーのような自己分析ツールで言語化してもらい、そこから自分について深ぼっていくのがよいと感じています。

ぜひ、みなさんも自身をふりかえるという観点で、ストレングスファインダーをやってみてはいかがでしょうか?