スクラムマスダーの日記

アジャイル、スクラムに関連した内容が多めです。

2023年のふりかえり

こんにちは、マスダーです。

これは、ふりかえり(表) Advent Calendar 2023の5日目の記事です。

adventar.org

僕個人について、2023年をふりかえります。

仕事

個人事業主での仕事も3年目を迎えることができました。
いまのところ、なんとかお仕事をいただいて、生き延びています。

スクラムマスターとしての仕事だけではなく、引き続きアジャイル開発の研修もさせていただいてます。

今年は2年ぶりに、オンサイトでの研修を実施させていただきました。
オンサイトの研修は、オンラインよりも参加いただく方の活気を感じることができ、非常にやりがいがありました。
体力は、この数年で、圧倒的に落ちているので、終わった後の疲れがヤバかったです。

研修の仕事は、通常の仕事の合間を縫って、継続したいと考えています。

登壇

スクラムフェス大阪

パネルディスカッションとアジャイルラジオの公開録音を実施させていただきました。

www.scrumosaka.org

アジャイルラジオの公開録音では、久しぶりに、椎葉さんと楽しくお話できて、嬉しかったです。

JBUG京都

町田さんにお誘いいただき、JBUG京都の初回イベントで、パネルディスカッションをさせていただきました。

jbug.connpass.com

プロジェクトマネジメントに関わる方が多く参加されている中でのディスカッションは新鮮でした。
会では、ハンバーガーやジュースも振る舞われ、コロナ前にやっていたわいわいした感じのコミュニティが戻ってきた感じがして新鮮でした。

そのた

他にも、CEDECの過去の講演などを見ていただいた方からお声がけいただき、アジャイルとQAについて、お話をしたりしました。

アジャイル開発における QAの役割と仕事の方法 - Speaker Deck

スクラム道関西

今年は、ひさしぶりにオフラインのオープンジャムと忘年会を実施しました。

最近の話題は、スケーリングアジャイルが多く、スクラムは実践しているのは基盤になっている会社が増えてきたのを感じています。

最近、田口さんと1週間で2回飲みにいく機会が、複数回あり、スクラム道関西での出会いは僕の人生にとって重要だなと改めて感じてます。

アジャイルラジオ

今年は、18本を公開することができました。
すでに年末分も収録したので、合計では19本公開になる予定です。

agileradio.github.io

ラジオは、Zoom収録と現地収録を混ぜながら、ぼちぼちやっていきます。

対面でお会いしたときに、「アジャイルラジオ聞いてます!」と声をかけていただくのは嬉しいです。

もっと、みなさんSNSなどでフィードバックいただいて大丈夫ですよ!
フィードバックがないと、改善しないので!

とはいえ、フィードバックがなくとも、アジャイルラジオは継続はします。

CEDEC2023

今年のCEDECは、運営委員として関わることができました。

詳細は、こちらのブログになります。

scrummasudar.hatenablog.com

家庭

子供が生まれて1年が経過しました。
基本リモートワークで仕事しているので、子供の成長を近くで見守ることができているのは、幸運だなと感じています。

おわりに

ほかにも、アトラクタさんの合宿に初参加したり、ふりかえりカンファレンスを運営したり、A-CSM研修を受講してアドバンスドスクラムマスダーになったり、お手伝いさせていただいただいくしーさんの書籍『スクラムの拡張による組織づくり』が発売されたりと、今年もふりかえってみると、想像以上に充実してました。

来年も、新しいことやっていきたい!

チームが成熟したらスクラムマスターは不要になる?

こんにちは、マスダーです。

この記事は、スクラムマスター Advent Calendar 2023の4日目の記事です。

adventar.org

昨日は、コジマさんの「仏教哲学から学んだスクラムマスターとしてのマインドセット」でした。

note.com

「チームが成熟したらスクラムマスターは不要になる」という言説

アジャイルラジオ172回「だいくしーさんゲスト回 その3! Scrum@Scale あれこれ質問」でも、話題になった「チームが成熟したらスクラムマスターは不要になる?」という言説について、深ぼります。

ちなみに、「どこかの書籍やブログで出典があるのかな?」と探してみましたが、僕のググり力では見つかりませんでした…。

不要になる場合とは?

チームがスクラムより、よいやり方を求めてスクラムを辞める

スクラムマスターは、スクラムにおけるロールです。
そのため、チームが、XPやカンバンにたどり着いたり、さらには独自の開発の方法を編み出して、スクラムから脱却するという形です。

RSGTに参加されるようなエクストリームなチームであれば、十分あり得ると思います。

チームメンバーの多くがスクラムマスターに求められる振る舞いを実践できる

スクラムマスターは、チームに対して、ティーチング・コーチング・メンタリングなどを適宜実践することになります。
チームメンバー全員とは言わなくとも、大半のメンバーがスクラムマスターに求められる役割を状況に応じて、実践できるのであれば、スクラムマスターというロールを担うメンバーが不要になります。

きょんさんが、過去のRSGTで発表されたランダムロールは、この内容に近いと考えています。

本当に不要になるのか?

「チームが成熟したらスクラムマスターは不要になる?」は、「不要になる可能性はもちろんあるが、現実、そこまでたどり着くのは、数少ない」というのが、現時点での僕の考えです。

チームが成熟するからこそ、チームとしての新しいチャンレンジがある

チームが成熟すると、できることが増えていきます。
プロダクトにおいて難易度の高い問題を解決したり、技術的に新しいチャレンジをすることもあると思います。

新しいことにチャレンジするために、スクラムマスターと一緒に取り組むことで、より良い効果を発揮できると思います。

チームが成熟する期間に伴って発生する問題がある

チームは一瞬で成熟するのではなく、一定の期間が伴います。場合によっては数年かかることも普通でしょう。

数年経過し、プロダクトが順調にユーザーに使ってもらえるようになり、ユーザー数が増えたりすると、今まで問題なかった技術基盤では耐えられなくなったりします。
アーキテクチャなどで技術基盤を刷新するなど、既存とは大きく異なる問題解決に迫られます。

こういった大きな問題に対処するために、スクラムマスターはプロダクトオーナーを支援し、問題解決のためのアイテムをプロダクトバックログに入れてもらうようにする必要があると考えています。

おわりに

チームが成熟したら、別のチームの成熟をスクラムマスターが求められる

特定のチームが成功したら、他のチームでも同じ成功をしてほしいと願うのが、会社の常だと思います。

スクラムのスケーリングフレームワークについての議論は、最近のアジャイルコミュニティで事欠きません。

チームを素早く成熟した状態にできるスクラムマスターは、別のチームを同じように成熟するように求められます。

同じチームのスクラムマスターではないものの、スクラムマスターとしての仕事は継続することになると思います。

元のチームではスクラムマスターは不要になるかもしれませんが、スクラムマスターの仕事はまだまだありそうです。

『スクラムの拡張による組織づくり』を読みました!

こんにちは。マスダーです。

だいくしーさんが執筆された『スクラムの拡張による組織づくり』を、いただきました。

今回、だいくしーさんから貴重な機会をいただき、書籍のレビュアーとして出版のお手伝いをさせていただきました。
ちなみに、レビュー担当した部分は、「第3章 とあるチームのScrum@Scaleでの1スプリント」のみでしたので、書籍全部を読むのは、いただいてからでした。

Scrum@Scaleについて学べる

日本語の書籍では、初めてのScrum@Scaleについて、詳しく書かれている技術書です。(あくまで僕の観測の範囲ですが)

他の大規模スクラムフレームワークであるLeSSは、すでに技術書が出版されていたり、カンファレンスでの登壇資料、やってみた系のブログが数多くあります。

だからこそ、この書籍は、非常に貴重な事例(第7章)も掲載されていて、今後大規模スクラムフレームワークを導入したいと考える組織にとって非常に有用だと思います。

また、Scrum@Scaleについて、詳細に述べられていることにも価値があると考えています。
Scrum@Scaleにおいても、スクラムガイドと同様に、ガイドがあります。

scruminc.jp

しかし、ガイドだからこそ分量が少なく、内容を読み取ることが非常に難しいです。

書籍の第4章と第5章において、Scrum@Scale独自の考え方である、EAT、EMS、12のコンポーネントについて詳細が記載されており、組織において良くない兆候も記載されているため、Scrum@Scaleへの理解度が一気に深まりました。

アジャイルな組織づくりをしている方にもおすすめ

書籍の主題に「Scrum@Scale」が記載されてないことに気づかれた方もいらっしゃると思います。

Scrum@Scaleへの理解を深めることで、Scrum@Scaleを採用してないがアジャイルな組織づくりを実践している方にとっても、組織づくりをうまく進めるための考え方が数多く記載されています。

特に、チームの分割、各チームのコミュニケーション設計については、数多くの学びがありました。

だいくしーさんの実践されているチーム変遷についても、しっかり記載されており、読者が実践したときにどうしたらよいのかという想像がしやすくなっていると思います。

終わりに

アジャイルスクラムを実践されている方や、関心がある方にはぜひおすすめです。

書籍レビューも、少しはお役に立ったようで、個人的には満足です!