こんにちは、マスダーです。
この記事は、スクラムマスター Advent Calendar 2023の4日目の記事です。
昨日は、コジマさんの「仏教哲学から学んだスクラムマスターとしてのマインドセット」でした。
「チームが成熟したらスクラムマスターは不要になる」という言説
アジャイルラジオ172回「だいくしーさんゲスト回 その3! Scrum@Scale あれこれ質問」でも、話題になった「チームが成熟したらスクラムマスターは不要になる?」という言説について、深ぼります。
ちなみに、「どこかの書籍やブログで出典があるのかな?」と探してみましたが、僕のググり力では見つかりませんでした…。
不要になる場合とは?
チームがスクラムより、よいやり方を求めてスクラムを辞める
スクラムマスターは、スクラムにおけるロールです。
そのため、チームが、XPやカンバンにたどり着いたり、さらには独自の開発の方法を編み出して、スクラムから脱却するという形です。
RSGTに参加されるようなエクストリームなチームであれば、十分あり得ると思います。
チームメンバーの多くがスクラムマスターに求められる振る舞いを実践できる
スクラムマスターは、チームに対して、ティーチング・コーチング・メンタリングなどを適宜実践することになります。
チームメンバー全員とは言わなくとも、大半のメンバーがスクラムマスターに求められる役割を状況に応じて、実践できるのであれば、スクラムマスターというロールを担うメンバーが不要になります。
きょんさんが、過去のRSGTで発表されたランダムロールは、この内容に近いと考えています。
本当に不要になるのか?
「チームが成熟したらスクラムマスターは不要になる?」は、「不要になる可能性はもちろんあるが、現実、そこまでたどり着くのは、数少ない」というのが、現時点での僕の考えです。
チームが成熟するからこそ、チームとしての新しいチャンレンジがある
チームが成熟すると、できることが増えていきます。
プロダクトにおいて難易度の高い問題を解決したり、技術的に新しいチャレンジをすることもあると思います。
新しいことにチャレンジするために、スクラムマスターと一緒に取り組むことで、より良い効果を発揮できると思います。
チームが成熟する期間に伴って発生する問題がある
チームは一瞬で成熟するのではなく、一定の期間が伴います。場合によっては数年かかることも普通でしょう。
数年経過し、プロダクトが順調にユーザーに使ってもらえるようになり、ユーザー数が増えたりすると、今まで問題なかった技術基盤では耐えられなくなったりします。
リアーキテクチャなどで技術基盤を刷新するなど、既存とは大きく異なる問題解決に迫られます。
こういった大きな問題に対処するために、スクラムマスターはプロダクトオーナーを支援し、問題解決のためのアイテムをプロダクトバックログに入れてもらうようにする必要があると考えています。
おわりに
チームが成熟したら、別のチームの成熟をスクラムマスターが求められる
特定のチームが成功したら、他のチームでも同じ成功をしてほしいと願うのが、会社の常だと思います。
スクラムのスケーリングフレームワークについての議論は、最近のアジャイルコミュニティで事欠きません。
チームを素早く成熟した状態にできるスクラムマスターは、別のチームを同じように成熟するように求められます。