2019/03/12は、スクラム道関西のオープンジャムに参加しました。
オープンジャムでは、参加者の困りごとを相談したり、他の実践者の方法を聞いてみたり、話題のワードについて語ってみたりと、参加者が出したテーマについて、みんなで語り合う場です。
テーマの1つに「プロダクトオーナーはプロダクトバックログアイテム(以下、PBI)のビジネス価値をトラッキングする」がありました。
チームの成長はビジネス価値に含めるべきか?
「ビジネス価値をトラッキングした方がいいし、むしろプロダクトオーナーは、会社のKGIやKPIに沿ったPBIを出すことができているかを計測する必要があるよねー!」と、テーマの大枠については、参加者の中で納得感があったと思います。
その中で、PBIのビジネス価値の中には、
- 売り上げ
- 顧客の満足度
- 顧客の継続率
などがあるなという話になりました。
加えて、チームが成長することをビジネス価値として考えているという意見がありました。
参加者の中でも、ビジネス価値にとして含めるべきか否かで、意見がわかれ、いろいろと議論することができました。
ちなみに、ぼくは、
「プロダクトオーナーは、PBIのビジネス価値に、チームの成長を必ず含める必要はない」
という立場です。
チームの成長はどこで行うべきか?
チームの成長につながる時間を仕事中に割く必要がないのか?となると、それは必要だと考えています。
『スクラムガイド』では、プロダクトオーナーの責務は、下記の通りです。
プロダクトオーナーは、開発チームから生み出されるプロダクトの価値の最大化に責任を持つ。
つまり、プロダクトの価値の最大化に責任があるのであって、チームの成長に責任はありません。
一方、企業が成長していく、すなわち、売り上げや利益を大きくするには、従業員のスキルアップは欠かせません。
そのため、チームが成長するために必要な時間は、仕事をする時間の中に含まれる必要がありますが、PBIに取り組む時間に取り組む必要はないと、ぼくは、考えているのです。
つまり、チームの成長の責任は、経営層やラインマネージャーと呼ばれる組織上の上長が持つべきであり、プロダクトオーナーが必ずしも責任を持つ必要はないと考えています。
そのため、仕事をする時間の中で、開発チームがPBIに取り組む時間と成長のために学習する時間を分けて取り組むようにする必要があります。
よりよいプロダクトオーナーとは?
なぜ、プロダクトオーナーがチームの成長を考える必要があるのか?という議論になるのかを考えると、プロダクトオーナーがラインマネージャーであることが多いからだと思います。
そのため、よりよいプロダクトオーナーになるには、開発チームがPBIに取り組む際に、チームが成長しやすいようにプロダクトバックログリストを作り上げる必要があります。
開発チームがPBIを取り組みながらも、成長できれば、より良いスクラムチームになると思います。
プロダクトの価値を最大化しながらも、開発チームの成長を考慮しているプロダクトオーナーは、よりよいプロダクトオーナーと言えると思います。

- 作者: ジェフ・サザーランド,石垣賀子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2015/06/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (3件) を見る

エッセンシャル スクラム: アジャイル開発に関わるすべての人のための完全攻略ガイド (Object Oriented Selection)
- 作者: Kenneth Rubin,岡澤裕二,角征典,高木正弘,和智右桂
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2014/07/08
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (7件) を見る