スクラムマスダーの日記

アジャイル、スクラムに関連した内容が多めです。

ふりかえりで前回のふりかえりの改善策を確認する必要があるか?

こんにちは。スクラムマスダーです。

この記事は、 ふりかえりアドベントカレンダー9日目の記事です。

前日は、id:cobase16 さん

kobase16.hatenablog.com

翌日は、id:ikikko さん

ikikko.hatenablog.com

私は、スクラム道関西というスクラムについて参加者同士で話し合うことができるコミュニティの運営に携わっています。

scrumdo-kansai.connpass.com

参加者は話し合いたいトピックを出しあうのですが、ふりかえりは非常によく出るテーマの一つです。

そのふりかえりの中で、「ふりかえりを行う際に、前回のふりかえりで出たTry(改善策)の確認はするべきですか?」という話題が定期的にあがると、個人的に感じています。

この話題について、僕が、普段スクラム道関西でお話していることを、記してみます。

結論を言ってしまうと…

  • ふりかえりで、前回のふりかえりの改善策を確認する必要は、ない。
  • もちろん、話したい人がいれば、話題として出すべき。
  • 確認するタイミングは、別にある。

スクラムのスプリントレトロスペクティブを確認してみる

スクラムには、公式の型として『スクラムガイド』があります。

いわゆる「ふりかえり」に相当するスクラムのイベントは、「スプリントレトロスペクティブ」です。

スプリントレトロスペクティブでは、「前スプリントで出した改善策を確認する必要がある」旨の記載はありません。

そのため、「前回のふりかえりの改善策を確認する必要があるか?否か?」という問いに対しては、「必要はない」となります。

ふりかえりで前回の改善策を話したい!

ただ、『スクラムガイド』には、以下の内容も記載されています。

スプリントレトロスペクティブには、以下の目的がある。
(中略)
うまくいった項目や今後の改善が必要な項目を特定・整理する。

前回のふりかえりの改善策で、うまくいった場合や改善が必要で、その対応の優先順位が高ければ、話をする必要があるということです。

そのため、必ず話題に上げる必要はないが、前回の改善策について、話をする必要があると感じているメンバーがいれば、話題にあげるのがよいと思います。

スプリントバックログを確認してみると…

スクラムガイド』は、2010年に初版が発行され、現在は第5版の2017年版が最新です。

一つ前の2016年版から2017年版に更新された内容で、ふりかえりに関連する内容が以下です。

7.「スプリントバックログ」のセクションに以下を追加した。
継続的改善を確実なものとするために、前回のレトロスペクティブで特定した優先順位の高いプロセスの改善策を少なくとも 1 つは含めておく。

スプリントレトロスペクティブの章ではなく、スプリントバックログの章に、スプリントレトロスペクティブで特定された改善策についての内容が、追加されました。

最新の『スクラムガイド』では、スプリントレトロスペクティブで特定された改善策を、スプリントバックログ(開発チームがスプリントゴールを達成するための作業項目)として、明確にする必要があります。

スプリントバックログとして明確にするということは、デイリースクラム(いわゆる朝会)で、進捗を確認する必要があります。

開発チームはデイリースクラムを使って、スプリントゴールとスプリントバックログの進捗を検査する。

つまり、スクラムを利用している場合、スプリントレトロスペクティブで特定した改善策は、デイリースクラムで日々進捗を確認する必要があるということです。

改めてまとめると

  • ふりかえりで、前回のふりかえりの改善策を確認する必要は、ない。
  • もちろん、話したい人がいれば、話題として出すべき。
  • 確認するタイミングは、『スクラムガイド』に則ると、デイリースクラム

おわりに

今回は、スクラムに沿って、ふりかえりについて書きました。
もちろん、ふりかえりの頻度が毎日だったり、デイリースクラムに相当するイベントを実施していない場合もあるので、あらゆるパターンに当てはまるということではないと思います。

そういうことも含めて、ふりかえりでの改善だと思いますので、ぜひ、もやもやした気持ちを、ふりかえりで、チームのみなさんに共有すれば、よいと思います!

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