スクラムマスダーの日記

アジャイル、スクラムに関連した内容が多めです。

トヨタ産業技術記念館に行ってきました

2024/06/09に、スクラム道関西のメンバーでトヨタ産業技術記念館に行ってきました。

今回は感想ブログです。

夢が叶った

2019年にスクラム道関西のメンバーで行く企画があったのですが、当時の僕は予定が合わず、5年前から行きたいなと思ってました。
今回、念願の夢が叶い、楽しんできました。

家族で行くのも楽しいとは思うのですが、ものづくりを生業にしている方々と感想を言い合いながら、巡るのが楽しみにしていました。

環状織機がお出迎え

トヨタ産業技術記念館に到着したのが13時過ぎでした。

チケット購入後に、まず目に入るのが、環状織機です。

環状織機は、豊田佐吉が、「どうすれば織物を効率的に作れるのだろうか?シャトルの往復の無駄をなくすにはどうすればよいか?」という考えから生まれ作られたそうです。 素晴らしい技術とアイデアのため、19の国で特許を取得しています。 ただ、環状織機には1台に1人管理のための人員が必要だったことで量産されず、4台しか製造されなかった幻の織機とのことでした。

環状織機は、1日に4度しか動かされないのですが、タイミングがよく13時25分からの動く回に立ち会うことができました。100年以上前の織機が動く姿に感動しました。

紡ぐ・織るの基本

環状織機のコーナーが終わって、やっとチケットを提示して有料区間に入りました。

まず紹介されるのが、綿花など織物の素材や、綿花からどうやって糸が生み出されるのかといった基本の内容でした。

トヨタが製造しているのは織機ですが、その素材や基本的な性質を理解することが重要なのだと、僕は捉えました。
扱う素材の理解度が、自動化や効率化を考えるときの有効性に結びつくことを、このあと知ることになります。

紡機技術の歴史

素材について理解したあとは、どうやって綿花などの素材から糸を生み出すかについて学ぶことができました。

ちなみに、トヨタの製造する織機までたどり着いていません。

綿花の洗浄方法、綿花を機械で糸にする方法などについて学ぶことができます。

記念館の方が説明してくださっており、製造途中の糸の性質を知ったり、実際に触って体験することができました。

織機技術の歴史

やっとトヨタが製造している織機について知ることができるコーナーにたどり着きました。

ここでも記念館の方が説明をしてくださいました。
まず説明してくださったのが、豊田佐吉が最初に発明した織機でした。

当時の織機は、手でシャトルを動かし、足を使って機を織っていました。豊田式木製人力自動織機の発明により、足の動作のみで、シャトルが動くようになり、機を織ることができるようになりました。
この時点で、生産性が向上しているのですが、数年後、更に人を使わずに機械の力で動かせるようになります。機を織る速度は向上し、1人で複数台の織機を管理することができるようになり、生産性が20倍に向上しました。また、出来上がりの布の品質も格段に向上していました。

生産性の向上とは、こういう取り組みを目指すんだなと、痛感しました。

そして、その後更に改善され生まれたのが、有名なG型自動織機でした。

G型自動織機の一番すごいところは、シャトルの交換が不要なこと、そして経糸が切れると自動で停止することでした。

シャトルの交換が不要になることで、更に人が管理する工数を減らすことができたのは画期的でした。そして、シャトルの交換が不要な仕組みは、糸の仕組みを理解しているからこそでした。

また、経糸が切れると自動で停止する仕組みは、トヨタ生産方式の2本柱の1つ「自動化」を体現していました。トヨタ生産方式の原点を見ることができて、感動しました。

金属加工の実演

織機が終わったあとは、自動車です。

とはいえ、自動車のコーナーに本格的に入る前にあったのが、自動車部品である金属の加工方法について、学ぶことができました。

まずは、鍛造です。金属の塊を熱し、プレス機で、自動車の部品を作る実演をみました。

そして、鋳造についての実演を見ることもできました。鋳造は、1日の実演は2回のみで、14時20分からの回に、ちょうど間に合いました。
鋳造では、アルミを溶かし、中が空洞になる自動車部品を、型を用いて作っていました。

自動車事業創業

豊田佐吉の長男である豊田喜一郎が、アメリカ車を見て日本の自動車を作るまでについて、記念館の方が説明してくださいました。

当時は木型をもとに板金をすべて手作業で曲げたりしていて、日本の自動車製造の原点について学べました。

豊田喜一郎の生涯

豊田喜一郎の歩みについて知るコーナーがあり、メインは豊田喜一郎の名言でした。

  • 議論を先にすることをやめた
  • 車のことを一番よく知っているのは、われわれではなく、むしろ毎日実際に運転している人なんだから、車の手ざわりをよく知っている運転手にも意見を聴こう
  • 喜一郎さんは常々、技術というものをユーザーの立場から考えていた。"油を差さなくてもよい車をつくれ"
  • 現場に走って各担当の工長と改良策を打合せする。とにかくアクションが早い。

などなど数多くありました。

僕の心に刺ささりすぎました。

車両開発の歴史

90年代まで、トヨタがどういった車を開発してきたかの歴史について学べました。

白い森さんが教えてくださった主査制度についても紹介されていました。

開発技術

環境、安全、快適など目的ごとに、材料や設計について学ぶことができました。

生産技術

個人的な本命が最終の生産技術のコーナーでした。

トヨタ生産方式のコーナーももちろんありました。

映像や体験コーナーで、少なくとも30分はいました。

部品を一定量正確に手に取ることができる仕組みは、これが「楽に安全に」なった改善なんだと感銘を受けました。

また「全員参加」が必要なことも、改めて重要なことであると再認識しました。
大人数で開発をしていると、忘れがちなのですが、基本を大事にしたいです。

おわりに

通常の推奨ルートを通って過ごす時間は、90分ほどみたいなのですが、結局閉館の17時までいたので、滞在時間は4時間でした。
これだけ立っていると、流石に帰宅後は足が痛かったですね…。

また、トヨタ産業技術記念館のあと、きょんさんが飲み会の場をセッティングしてくださっており、きょんさんとお話することができました。
コンサルタントが組織の上へ登っていくのはどういったパターンがあるのか?、きょんさんはいまどういうことを考えてコンサルタントとしてのバリューを発揮しようとされているのかを伺うことができ、私個人は非常に有意義な時間で、きょんさんに感謝しています。

今回、初めてトヨタ産業技術記念館に行って、また行きたいなと、改めて思いました。また数年後に、行く企画を作りたいなと思ってます。