スクラムマスダーの日記

アジャイル、スクラムに関連した内容が多めです。

ふりかえりカンファレンスのスライドまとめ #ふりかえりカンファレンス

2021/04/10に、ふりかえりカンファレンスが開催されました!

retrospective.connpass.com

本ブログでは、ふりかえりカンファレンスのセッションの発表資料をまとめています。個人で発見した発表資料のみですので、掲載していないセッションの発表資料がありましたら、コメント欄などで教えていただけるとさいわいです。

インプットレーン

キーノート:アジャイルの終わりとふりかえりの始まり/平鍋 健児さん

ファシリテーターとして、文化を変えるアクションアイテムとの向き合い方/田中 亮さん

チームに合うふりかえりを見つけるまでの試行錯誤と変化の歴史/よこなさん

ふりかえりと12億の選択/蜂須賀 大貴さん

人事によるふりかえり活用事例/あやなるさん

ふりかえりにおける意思決定を考える/渡部 啓太さん

シン・フリカエリ:|| /小田中 育生さん

Lightning Talks

ふりかえり準備側のマインドセットと失敗エピソード/まんまるねこさん

個人のふりかえり変遷(3ヶ月の取り組んでみて)/廣瀬 大地さん

KeepがProblemより多いふりかえりの体験/kitaharaさん

チームのふりかえりの変遷について/aki.mさん

入社1年目の新人がふりかえりを習慣化して学んだこと/chimiさん

10分コーチングで習慣づける毎日のふりかえり/Takahiro Itoさん

ふりかえりの断絶を防ぐにはどうすればいいか/面川 泰明さん

日本発! Fun! Done! Learn! がダイアナさんにリーチした。/川口 恭伸さん

クロージング収録/森 一樹さん、KANEさん

アウトプットレーン

ふりかえり支援ツールを用いたリモートふりかえり会のファシリテーション方法の提案/天野勝さん

ストレングス・トークによるふりかえり/かとう ひろしさん

「結婚できた」という事例あり!クリティカルシンキングのツールを利用したふりかえり/てらひでさん

Att from terahide

いつものふりかえりに「気になること(concerned)」を追加してみませんか?/河野 圭一郎さん

おきもちから発見するKeepとProblem/吉田 真季さん

ふりかえりの壁選手権/塚本 久博さん

ふりかえりの傾向と対策 ~「ふりかえりのふりかえり」から作法を学ぶ/安達 賢二さん

フリーランスのエンジニアとして仕事をはじめました

こんにちは。@scrummasudarです。

2021年2月から、フリーランスのエンジニアとして、仕事をはじめました。

2021年3月現在、スクラムマスターとして、フルリーモートで仕事をしています。

Podcastなどで配信しているアジャイルラジオでは、転職活動の状況や悩みを話していましたが、結果についてはお伝えできていなかったので、今回ブログで転職活動のまとめも含めて、お伝えいたします。

TL;DR

  • フリーランスのエンジニアとして仕事をはじめました
  • 転職活動期間に、ご相談させていただいた皆様に感謝です
  • アジャイル開発の支援、組織改善、プロセス改善のご相談を承っております

転職活動を始めた頃

2020年春、私の健康面の都合で、前職を退職することとなりました。しばらくは、仕事をお休みし、2020年の秋から、仕事探しをはじめました。

仕事探しを始めた当初、働く形態についてはフラットに考えていました。そのため、「会社員として働くこと」、「フリーランスとして働くこと」、「起業して働くこと」の3つを想定していました。

逆に言うと、何も定まってない状況で、仕事探しを始めたとも言えます。確固たる思いもなく、「そろそろ仕事を始めないと…」が先行していました。

自己分析が不足しており、自分がやりたいこと、自分がやれることなども見えてませんでした。

色々な方に相談しました

自分で考えるには色々と限界があると感じ、様々な方に相談させていただきました。

なんだかんだで、アジャイル関連で仕事をしたいという気持ちはぶれていませんでした。

アジャイルコーチをされている方、システムコーチングをされている方、会社員としてアジャイルを実践されている方などにご相談させていただきました。
「次の仕事について、相談したいのですが…」と連絡させていただくと、非常にありがたいことに、みなさんに快諾いただきました。
この方々に、お金払って相談していたら、大変な金額になっていると思います。本当に感謝しかありません。

この相談を実施したことで、自己分析が深まり、求める仕事、諦める仕事も明確になってきました。

一通り相談を終えた際に、「企業の正社員でスクラムマスターとして働こう」という気持ちが固まり転職活動を進めていました。

エージェント経由の転職活動

結果としては、全くダメでした…。

関西の企業で、プログラミングはしない役割で、スクラムマスターなどアジャイル開発を実践している企業(または検討している企業)で働きたいという枠だと、公開されている求人にマッチしない感じなんだなと考えています。

SNS経由での転職活動

Twitterで転職活動について、状況をツイートしていると、いくつかの企業様から「まずは面談どうですか?」とご連絡いただきました。

エージェント経由でうまく転職活動を進めることができていないツイートをきっかけに、連絡いただくことが多かったです。

東京拠点の企業様から「フルリーモートの可能性も含めて、どうですか?」と連絡いただくこともありました。

「東京には、スクラムマスターを求める企業がたくさんあり、フルリーモートでの仕事もあるんだなぁ」と感慨深く思いました。

逆に、関西拠点の企業で働くことの難しさを痛感しました。

「正社員かフリーランスか」の苦悩

正社員として仕事を求めて転職活動を進めた結果、とある企業様から内定をいただきました。スクラムマスターではありませんが、プログラミングをしない立場で、エンジニア組織をより良くする役割で働くことができる環境でした。

そんな中、Regional Scrum Gathering Tokyo 2021で「今、転職活動中です」と話をしていると、「業務委託でスクラムマスターとして、どうですか?」と連絡をいただきました。
連絡をいただいた直後には、「もう内定をいただいているので、新しく面接を始めることは考えてないのですよね…」とお伝えしました。
しかし、お話をしていくうちに、「やはり、スクラムマスターとして仕事ができる環境があるのであれば、挑戦したい。」という気持ちが高まり、業務委託での面談をさせていただきました。
結果、現在お仕事をいただいている企業様と私とで仕事内容や条件に合意をすることができました。

その結果、私には2つの選択肢が現れました。

  • 正社員として、関西の拠点で、組織をより良くするための役割で働く
  • フリーランスとして、フルリモートで、スクラムマスターの役割で働く

1週間悩み続けました。
その間、家族、友人、アジャイル開発の師匠など、転職活動初期と同様、様々な方に相談しました。

久しぶりの仕事だからこそ安定的な正社員で働く方がよいのではないか?、情勢がリモート中心とはいえ今後オンサイトで働ける環境がよいのではないか?、フルリモート環境で働けるのか?、何が何でもスクラムマスターをやってみたい気持ちがあるのではないのか?

様々な気持ちが渦巻く中、スクラムマスターとして働きたいことを一番優先したいと考え、フリーランスの道を選択しました。

仕事の宣伝

スクラムマスターをメインに、アジャイル開発の支援、組織改善、プロセス改善の仕事を中心に仕事をしていきたいと考えています。

開発チームやマネージャーの方々と伴走し、一緒に考えながら、プロダクトや組織をよりよくしていく立場で働いていきたいと思います。

フルリモートでも、オンサイトでもお仕事可能ですので、お気軽にご相談いただけると、嬉しいです。

おわりに

転職活動期間中に、個別にお話をさせていただいた皆様、企業様には、大変感謝しています。
特に、内定を頂いたにも関わらず、辞退をご連絡した企業様には、いまでも心苦しく思っています。

「失敗は学び」とは言いますが、僕は、やっぱり失敗は怖いです。だからこそ、選択に後悔もします。

内定を頂いた企業様の業績が好調な様を見聞きすると、「やっぱり内定を受諾するべきだったか?」と思います。
フリーランスの道を選んだことに、後悔するときもあります。

ただ、フリーランススクラムマスターの道を選ばなかったら、やっぱり後悔していることが、容易に想像できます。

僕は、どういう選択をしても、良かったと思えると同時に、後悔をする人間です。
だからこそ、物事を多面的に考えることができるし、理想と現実のバランスを考えて行動することができるんだと思っています。

「こんなブログを書いてお仕事を今後いただけるのか?」と考えたりもしますが、正直に話をするのが一番だと、今は思ってます。

せっかく選んだ道なので、フリーランスとして、仕事を頑張ってみます。
今後、お仕事のご相談も、仕事関係なしの雑談も含めて、興味を持っていただいた方々とお話できれば嬉しいです。

TwitterのDMは、開放しているので、お気軽にどうぞ!

twitter.com

『プロダクトマネジメント ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける』

プロダクトマネジメント ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける』を読み終えました。

本書は、マーケットリーという架空の企業を通して、プロダクトマネジメントにおける落とし穴を、どのような方法で回避していくことができるかについて、記されています。

戦略、プロセス、組織といったいろいろな角度から述べられており、プロダクトの責任者をされていらっしゃる方だけでなく、経営層の方にも、ぜひ読んでいただきたい内容となっています。

プロダクトマネジメントに記された非常に良い書籍ですので、私が気になったところを紹介させていただきます。

ビルドトラップとは

ビルドトラップは、以下のように定義されています。

ビルドトラップとは、組織がアウトカムではなくアウトプットで成功を計測しようとしていて、行き詰まっている状況のことです。

アウトプットとは、プロダクトの数、リリースした機能数、リリース回数、開発チームのベロシティなどとされています。

アウトカムとは、機能を届けて顧客の問題を解決した結果のことです。 具体例としては、アクイジション、リテンション、収益、顧客の解約などがあります。

私の過去の失敗経験からも、機能、リリース回数、ベロシティが改善されているから、うまくいっていると思っていたことがあります。まさに、ビルドトラップにハマっていたといえます。

アウトカムについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記のOutcome Deliveryについて詳しいGabrielle Benefieldさんの動画を御覧ください。

www.youtube.com

プロダクトをどう捉えるか

本書では、プロダクト自体に価値はないといっており、自社のビジネス価値と顧客にとっての価値を交換する媒介であるとしています。

そのため、価値をプロダクト自体にあると勘違いしていると、機能数などアウトプットを成功の指針としてしまう言っています。

プロダクト自体に価値を感じてしまうことは、人間誰しもあるかと、僕は感じています。
開発者であればソフトウェアそのものですし、営業であれば提案資料、カスタマーサポートであればメール文面など、プロダクトに関するものを作っていると思います。 だからこそ、「せっかく時間をかけて作ったのだから」、「プロダクトは自分の分身だ」と感じるのだと思います。

各個人が上記のように感じることとは別に、「顧客にとってプロダクトとは、どのような存在であるのか?」を改めて企業で定義していくことが大事だと感じています。

優れたプロダクトマネージャーと悪いプロダクトマネージャー

本書ではプロダクトマネージャーの重要性や、どのような役割を果たすべきかについて、詳しく示しています。

逆に、どのようなプロダクトマネージャーは悪いのかも示しています。
典型例として、

  • ミニCEO
  • ウェイター
  • プロジェクトマネージャーだった人

アンチパターンとしています。

優れたプロダクトマネージャーは「なぜ」を顧客やステークホルダーや開発者に聞き、ビジネス目標と顧客が実現したい価値を達成することが大事とされています。

プロダクトのなぜを考えるためにオススメなのが、サイモン・シネックの『WHYから始めよ! 』です。書籍も素晴らしいですが、20分程度のTEDがあるので、まずは動画を視聴するのをおすすめします。

プロダクト戦略

戦略というと、将来プロダクトがどうなっていてほしいのか、自社が市場においてどういうポジションであるかがイメージしやすいです。
もちろん、本書でもビジョンの大切さが語られています。

個人的に大事だなと感じた文言は、戦略的意図で、ジョシュア・アーノルドによる価値検討フレームワークについて書かれていたことでした。

価値検討フレームワークの内容は以下です。

  • 収益を増やす
  • 収益を守る
  • コストを減らす
  • コストを避ける

お金に関することは企業を運営していく上で避けて通れません。特にプロダクトの責任者であれば、必ず考える必要があります。
今取り組もうとしていることが、どれを選択しているのか?、偏ってないか?、は検討したいです。

特にサブスクリプションモデルが通例になってきた世の中においては、収益を守る観点は重要だと、個人的に考えています。
サブスクリプションモデルは一度に得られる金額が少ないからこそ、リテンションが重要だと考えています。

プロダクト主導組織

いくらよいプロダクトを作ろうとしても、組織の評価軸が適切でなければ、結果的にユーザーに利用されないプロダクトを作り続けることになります。

本書においても、コダックの組織決定スピードの遅さによる没落事例、ボーナスを貰うために一ヶ月無駄にしている事例、予算を使い切ることが第一になっている事例が記されています。

特に後者2つの事例は、アウトカムではなくアウトプットを計測対象にしているからこそ、起きてしまっている事例です。

これらを解決するには、「ビジネスとしてプロダクトが成り立っているのか?」に関する指標が大事だと考えています。

指標としては、以下が代表例だと思います。

  • 利益は確保できているのか?
  • 売上は増えているのか?
  • ユーザーは増えているのか?
  • 流入ユーザーは解約ユーザーより多いのか?

チームが継続するには、チームビルディング、プロジェクトではなくプロダクトにチームを割り当てるも大事ですが、そもそもプロダクトが継続的に利益をもたらす必要があると思っています。

だからこそ、組織、特に経営層が、プロダクトをどう評価するかを考える必要があると思います。

おわりに

本書は、 株式会社アトラクタ 様から頂戴いたしました。
大変感謝しております。

スクラムにおいても「プロダクトオーナーをどのように育てるのか?」は、関心事の強い内容だと思います。
本書は、プロダクトオーナーが幅を広げるために必要なことが数多く記載されており、ぜひ読んでいただきたいと思います!

プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける

プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける

  • 作者:Melissa Perri
  • 発売日: 2020/10/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)