スクラムマスダーの日記

アジャイル、スクラムに関連した内容が多めです。

テレワークができる人、できない人

サイボウズさんが、「がんばるなニッポン。」というタイトルで、テレワークに関する広告を出されています。

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広告ついて、以下のツイートをしたところ、サイボウズの青野社長にもリツイートいただきました。

コロナウイルスの影響で、テレワークが話題に上がることが多いので、上記ツイートを詳細に記したいと思います。

私個人のテレワークについてのスタンス

ツイートから「あなたは、テレワーク反対派なのですね」と思われる方もいらっしゃると思います。

私個人としては、テレワーク自体は、できる環境であれば、取り組むことには賛成しています。
働いている業界がIT業界で、ソフトウェアのエンジニアという役割であったことが大きいです。

もちろん、企業のスタンスとして、テレワーク推進している企業もあれば、対面でのコミュニケーションを重視している企業もあると思いますので、その企業の文化を尊重したいと思っています。

テレワークがそもそもできない業界や職種がある

では、どのような業界、職種であってもテレワークできるかというと、現状の枠組みでは、そもそもできない業界、職種があります。

枠組みというのは、単なる企業の規則や文化ではなく、法律です。

医療、介護、飲食などは、法律によって、自宅やシェアオフィスで働くこと自体が禁止されている場合があります。

医療業界

医療業界は、医師法保健師助産師看護師法などが関連する法律です。

医師法第二十条では、対面診療を原則としています。

医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。

elaws.e-gov.go.jp

医師法の解釈が年々変わっていき、情報通信機器の発達から、遠隔診療も徐々に緩和されてきています。

厚生労働省の「情報通信機器を用いた診療の経緯について」 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000193828_1.pdf

しかし、原則、対面診療であることには変わりませんし、また遠隔診療でできることは限られています。

採血も医療行為なので、特定の国家資格のある方でないと、実施できません。 「血液検査するので、注射して、郵送してください。」ということは出来ないのです。

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飲食業界

飲食業界は、食品衛生法、食品リサイクル法などが関連する法律です。

特に食品衛生法では、営業施設に関する第五二条第二項が、テレワークに関するポイントです。

前項の場合において、都道府県知事は、その営業の施設が前条の規定による基準に合うと認めるときは、許可をしなければならない。ただし、同条に規定する営業を営もうとする者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の許可を与えないことができる。

elaws.e-gov.go.jp

つまり、飲食店を営業する場合、特定の許可された施設で営業しなければならないということです。

そのため、今日はテレワークデイだから、自宅のキッチンで料理を作って、ウーバーイーツで配達してもらう、ということはできません。

調理は、許可された施設で行わなければならないのです。

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テレワークできない人のために

上記の医療業界や飲食業界以外にも、仕事が、特定の人や場所でのみでしか許可されていない職業や職種はたくさんあります。

現時点での枠組みでは、そもそもテレワークをすること自体が、法律違反になってしまうことがあるため、出勤しなければならない人がいることを、理解する必要があります。

テレワークできる立場にある人ができることは、テレワークできない人をいかに働きやすい状況で働けるようにするかということになると思います。

特に、コロナウイルスが広まっている現状では、医療業界や介護業界の方が、対面での仕事がしやすい状況をいかに作り出せるかが大事だと思います。

『チームビルディング超実践ガイド』のレビューに参加しました!

ふりかえりで著名な森さんが執筆された同人誌『チームビルディング超実践ガイド』が、2月29日に出版されます。今回、レビュアーとして書籍の出版に携わることができました。

hurikaeri.booth.pm

本書は、技術書典8での販売を予定されていました。
ただ、コロナウイルスの影響もあり、残念なことながら、技術書典は中止となってしまいました。

techbookfest.org

今回、2月29日に、プロジェクトマネージャー保護者会のイベントが開催され、『チームビルディング超実践ガイド』の出版は、無事行われる運びとなりました!

hurikaeri.hatenablog.com

レビューに参加させていただいたので、『チームビルディング超実践ガイド』の紹介をさせていただきます。

対象読者

この書籍は、チームに所属するすべての方におすすめできる内容となっています。働いている方で、周囲の方と関係性のない仕事に携わっている方は、いらっしゃらないと思うので、働くすべての方に、おすすめできると思います。

といっても、一番の対象の方は、マネージャーやリーダーの方です。
チームメンバーが働く時間に対して、ある程度コントールできることから、改善やワークの時間を取り入れやすいためです。
特に、新しくマネージャーやリーダになった方には読んでいただきたい内容です。

書籍概要

書籍の内容は、大きく2つに別れており、

  • よりよいチームとは、どのようなチームであるのか
  • よりよいチームにするためには、どういう方法があるのか

を紹介しています。

よりよいチームは、みなさんが想像される通り、

  • 心理的安全性の高い状態
  • 自律的である
  • 学習に対する前向きさ

といった要素があるチームです。
こういった内容は、既存の書籍にも書かれている内容で、みなさんも納得されると思います。

『チームビルディング超実践ガイド』の一番のポイントは、チームをよりよくするために何をすればよいのかの具体的な手法を紹介していることです。

より良いチームのためのWhyやWhatを理解するだけでは、現場で実践することはできません。
Howも深く理解することで、初めて現場で実践することができます。

『チームビルディング超実践ガイド』は、そのHowがたくさん紹介されています。
現場で実践するときのハンドブックになる書籍となっています。

書籍について、まとめたチートシートがすでに公開されています。
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このチートシートを見て、気になるHowがある方は、ぜひ『チームビルディング超実践ガイド』を読んでほしいと思います。

また、すでに序文は公開されているので、とりあえず読んでみたいという方は、以下のブログを御覧ください。

hurikaeri.hatenablog.com

おわりに

技術書典(今回は残念ながら中止ですが…)は、関西在住の僕にとって、縁遠いイベントですが、レビューという形で、関わることができたので、非常によい経験をさせていただきました。
機会をくださった森さんには、非常に感謝しています!

ぜひ、みなさん、『チームビルディング超実践ガイド』を手にとっていただければと思います!

カンファレンスのスライドまとめブログを書くだけで十分貢献できるよ

こんにちは。スクラムマスダーです。

1月は、私のブログ閲覧数が一年で一番多い月です。
なぜかというと、Regional Scrum Gathering Tokyo(以下、RSGT )というスクラムに関するカンファレンスのスライドをまとめたブログを毎年書いており、多くの方に閲覧していただいているからです。

scrummasudar.hatenablog.com

scrummasudar.hatenablog.com

scrummasudar.hatenablog.com

抽象、具体を問わず技術やエンジニアリングやプロセスなどについてブログやSNSで発信している方にとっては、「スライドまとめブログなんて・・・。」と思われる方も、いらっしゃるとは思います。

ただ、カンファレンスに参加した、していないに関わらず、後日スライドを確認したいことは、数多くあると、私個人は感じています。

今年もRSGTのスライドまとめブログを書いたことで、いくつかのブログにリンクを張っていただきました。少なくとも、リンクを張っていただいた方には有用なブログであったということです。
「これで会社報告用の資料作成がはかどります!」とご連絡いただいたこともありました。

ここ最近では、SRE NextのスライドまとめQiitaが多くのいいね数を獲得しており、Twitterなどで何度か見かけました。

qiita.com

ブログやQiitaを書くことはハードルが高いように思いますが、スライドまとめブログは、個人の感想を書くこともないですし、ほぼ作業をするだけで書き終えることができます。

加えて、多くの方に見ていただき、有用に活用いただけることも多いです。また、そのブログがSNSで拡散されることによって、カンファレンスに興味を持つ方が増え、カンファレンス自体に認知を高める効果もあり、カンファレンスに微力だとは思いますが、貢献できていると思います。

現在では、数日に渡るカンファレンスや1日であってもマルチトラックで多くのセッションを行うカンファレンスが、一年間にいくつも開催されいていると思います。

まずは「自分があとで見直す際に便利だからまとめておこう」くらいの軽い気持ちで、スライドまとめブログを書いてみてください。

それだけで十分参加したカンファレンスに貢献できたと思いますよ。